総研大(大学院)素粒子原子核専攻
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入学者に求めるもの
原子核理論を志望する方に期待する最低限の学力

物理の学生さんならば、学部の授業を聞いたり一般向けの本を読んだりして、湯川理論について多少知っていると思います。それは原子核内の核子を結びつける核力に関する研究の発端となった理論で、日本の多くの理論研究者が湯川博士にあこがれて大学に進みました。まさにこの分野は日本のお家芸的研究分野です。しかし、今では湯川理論に登場する中間子や核子もクォークやグルーオンと呼ばれる基本粒子から構成される複合粒子であることがわかっており、これらの基本粒子を用いて原子核を記述するクォーク核物理学が盛んに研究されるようになりました。また、クォークの多様な組み合わせによって数百もの粒子が存在しており、これらがハドロンと呼ばれる粒子群です。最近、ペンタクォークと呼ばれる従来のクォーク模型にない構造を持つ粒子が報告され、ハドロンの内部構造に関する研究も盛んに行われています。

原子核理論は原子核とハドロンの構造と反応を研究する理論分野ですが、周辺分野である素粒子物理学、物性物理学、宇宙物理学と研究面で密接に結びついており、研究を進めるためには物理学の幅広い知識が要求されます。

以下、より具体的に、総合研究大学院大学・素粒子原子核専攻の原子核理論に入学を希望する方に期待する最低限の学力を列挙します。

  • 博士課程一年次から入学する場合
    学部の物理学科で習う物理の内容
    特に、力学、電磁気学、物理数学、量子力学、統計力学、相対論
     
  • 博士課程三年次から入学する場合
    上記に加えて、場の理論、ハドロンと原子核物理
    修士課程で研究した内容
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