超弦理論の非摂動論的定式化をめざす行列模型の研究
基本的に興味のもてることで自分に何らかの貢献ができると思えることなら何でも。特に他人と違った視点がもてるかどうかを研究テーマ選択の基準としている。ここ10年ほどは、超弦理論の非摂動的定式化として提案されている行列模型の性質、特にカイラルフェルミオンの問題、および量子重力との関係に興味をもち調べている。今後は、量子重力の性質を超弦理論とは異なった方向から捉える試みとして知られるループ重力や、物理学最大の問題である宇宙項問題についても取り組みたいと思っている。
場の量子論とトポロジーの問題(時空のトポロジーが非自明な場合に生ずるソリトン解や量子効果など)と、量子力学の基礎(量子論の数学的基礎、特異点の量子物理や量子ゲーム理論など)を主に研究しています。
格子ゲージ理論は、QCDにおけるクォーク閉じ込めを初めとする、場の理論における様々な非摂動現象を明らかにしてきました。私は、同様の非摂動的アプローチを、量子重力、弦理論、非可換幾何といった対象に適用する研究を行っています。例えば、超弦理論からダイナミカルに4次元時空やゲージ群が生成される可能性などを精力的に研究しています。又、格子ゲージ理論を用いたカイラルフェルミオンや有限密度系の研究にも興味を持っています。
超弦理論と一般相対論を研究しています。一般相対論は観測的には大きな成功を収めてきましたが、理論的には不十分です。一つの理由は、理論の基礎を揺さぶるような問題が長年にわたって未解決になっているからです。(時空特異点問題やインフォメーション・パラドックスといった問題が知られています) これらの問題は、おそらく一般相対論の枠内では解決できないだろうと見られています。そこで、超弦理論がこれらの未解決問題をどう解くかを研究しています。
重力の量子化及び初期宇宙のダイナミクスの研究
行列模型、特にそれに関連した可積分構造の観点から、コンパクト化された超絃とその有効ゲージ理論の研究をしています。また、超絃やその背後にある数学のいたる所に現れる例外型(特にE8)対称性が、より現実的な理論と関係する可能性(例えば有理楕円曲面を含む空間へのコンパクト化による標準模型の構成など)についても興味をもっています。